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9. いじめっ子を作らないために②

「自己肯定感」

今日は自己肯定感について。

自己肯定感って難しそうなコトバですね。

 

Weblio辞書では

「自分のあり方を積極的に評価できる感情、

自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する語。 

自己否定の感情と対をなす感情とされる」

と書いてあります。

 

もっとラク~に考えると、たぶんこういう感覚

(森流です(^_^;))。

 

「自分は、悪い人間じゃないし、そこそこ頑張れるし、

欠点はいろいろあるけど

全体的にはまぁいいんじゃないかな~」

 

自己肯定感がある人は、

自分のことを基本的に良しと認めているので、

少々イヤなことがあっても

自暴自棄になることはほとんどありません。

 

子どもでいえば、自己肯定感の強い子は、

イヤなことや難しいことがあってもがんばれると思います。

自分はがんばれる、やれるかもしれないという感覚が

無意識にあるので。

 

でも自己肯定感の弱い子は、

自分のことを良いと思えないので、

ちょっとしたことですぐに自信がなくなったり

不安になったりします。

でもやっぱり、自分のことは良いと思いたい。

だからいつも人に褒められ、認められなければなりません。

 

子どもがいじめをしてしまうのは、

自己肯定感の低さも原因にあるようです。

自分より弱い子をいじめることで、

自分は強いと思える状況、

周りにもそう思ってもらえる状況を作り出すのです。

 

「褒められたいのなら良いことをすればいいのに」と

大人は思うかもしれませんが、

良いことをしても気づかれにくいんですよね。

例えば、今日は言われる前におもちゃを片づけたとか、

帰ってすぐ宿題をやったとか、

自分ではがんばったつもりでも

当たり前だと言われたり、

気づかれずにスルーされたり、

ということがよくあります。

 

だから、自己肯定感が低い子や

さらにストレスをためている子にとっては、

がんばって良いことをするよりも悪いことのほうが、

簡単だし手っ取り早いのです。

注目される率も高いですしね。

逆に言えば、悪い意味で注目されてまで、

「自分は強い」「みんなが自分についてきてくれる」

と思う必要がある、

そう思えないと自分の心を保てなくなってきている

……ということなのでしょう。

 

本来、子どもの心を安定させるのは、

そうした周りの否定的な注目ではなく、

もっとあったかいもの……愛情です。

特に子どもの身近な存在である親や先生から

愛情をしっかり感じていれば、

その子の自己肯定感が健全に育まれます。

そうすれば、望ましくない行動をして

無理に注目を浴びようとせずにすみます。

 

著書『五体不満足』で有名になった

乙武洋匡さんの『自分を愛する力』

という近著を読みました。

乙武さんの自己肯定感は半端なく強いです。

そのように強くなれた理由の一つは、

成功体験を積み重ねたこと。

生まれながらにして手も足もない状態だったので、

一般的にできて当たり前なことが、

乙武さんやご両親にとっては

大きな喜びだったそうです。

ハサミが使えた、ボールを投げられた、

一人で階段を昇れた、などの体験が

乙武さんの自己肯定感を強くしていきました。

 

子育てをしていると、いつの間にか

よその子やきょうだいと比べて

荒さがしをしてしまいます。

でも比べる相手を、過去のその子自身にすれば、

できるようになったことや、

がんばれるようになったことが

見つかるのではないでしょうか。

そのような「成長」した部分を目ざとく見つけ、

いちいち子どもに報告して認めてやっていたら、

否が応でも自己肯定感は強くなっていくと思います。

 

 

 

 

 

 

2013年10月11日

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